大韓民国最初の赤線地域実態白書
サンデーソウル
1969.1.19号
ki

【サンデーソウル総合取材班】 
ソウルには11歳の娼婦がいる。私娼街の常連客は軍人または学生が筆頭だ。
旅館は「女館」と呼ばれるほど歪んだ「セックス」の舞踏会場となってしまった。
淪落を天職としている「10年勤続」だけでも、ソウルには15人もいる。
「ホワイトスレーブ」(白い奴隷)と呼ばれる私娼街の娼婦。
彼女らの病んだ心に宿った「病歴」はまさに「シリアス」。
 
ソウル市は今年すべての赤線地域を撤廃させる前にはじめて淪落女性の実態調査をした。この記事は、ソウル市婦女課調査と婦女保護指導所そしてソウル市警察の調査を一つにまとめて比較研究した本誌取材班の総合取材である。ソウルの私娼街の「アルファ」から「オメガ」をまとめてみると…

鍾三がなくなって100日

鍾三がなくなって100日。ソウルの淪落街はその版図をどのように変えたのだろうか。どの国どの社会でも淪落女性の数を正確に知ることは不可能である。いわゆる赤線地区という特定の地域以外でも淪落行為を「盛業」している女性が多いため。「鍾三以降」ソウル市が発表した公式統計によると、ソウルには1969年1月1日現在10ヶ所の特定地域に2千7百人の淪落女性たちがいる。

地域別にみると、典農洞285人、毛陣洞34人、梨泰院洞618人、永登浦駅278人、金浦空港近隣155人、始興洞131人、新吉洞89人、陽洞396人、桃洞381人、昌信洞270人。1000人の「鍾三女」がいなくなったあとの数字としては、梨泰院洞が断然最大の淪落街として浮上した格好である。もちろん梨泰院の淪落女性は米軍相手の洋公主たちである。

68年9月末、鍾三が撤廃される直前のソウル市内の淪落女性数は2827人であった(ソウル市政研究会調査)。そのうち俗称「鍾三」と呼ばれる鍾路三街と仁義洞の女性数が1134人を占めており、彼らが拠点を追われた今、その数は1700人ほどに減っていなければならないはずだ。しかしながら現在10ヶ所特定地域の女性数は2700人を数え、旧「鍾三」の女性たちが他の特定地域に拡散していったことは動かしようのない事実だ。

行政区域別にソウル市内の淪落分布状況を細分化してみると、中区では仁峴洞、崇南洞、興天洞、東子洞、会賢洞、桃洞など6カ所。そして龍山区では南営洞、漢南洞、漢江路など3カ所。東大門区では昌信洞、典農洞など2カ所。城東区では興仁洞、長安洞など2カ所。永登浦区では新吉洞、永登浦洞、空港洞、始興洞、文来洞、楊坪洞、堂山洞など7カ所など、規模の大小はあれ、いずれにも淪落女性が定着している事実が明らかになった。また米軍駐屯地周辺の毛陣洞、梨泰院洞、空港洞、始興洞、新吉洞などは主に外国人を相手にし、それ以外の場所は主に韓国人を相手にしている。

以上の調査結果は当局によってある程度公認、あるいは黙認されている地域の女性動態であるが、ソウル市内にはこれ以外にも3000人を超える「体を売る女性」が存在している。旅館の「コールガール」や淫売を兼業する酒場の酌婦、路地裏などで誘客する「アルバイト娼婦」などがそれに該当する。それとともに、以前「鍾三」で開業していた事業主たちが傘下の娼婦たちを従えて、売淫を兼ねた新形態の女性街を「鍾三」周辺と市内周縁部に立ち上げる準備を始めたという噂もあがっている。



売春街の平均年齢と淪落女性たちの「初体験」年令

我が国の淪落女性たちが他の国のそれと著しく相違する点は平均年齢が低いという点だ。ソウル市の調査によれば21~23歳の年齢層が42.6%と一番多く、次に18~20歳層の32.5%。したがって全淪落女性の実に78.3%は、23歳以前の最も旬な時期に、不幸にも淪落の落とし穴にはまってしまったということになる。

一方、ソウル市婦女保護指導所の調査では淪落女性たちの50%は、既に19歳時点で自分の「貞操」を失っている。600人の淪落女性を対象にしたこの調査を見れば、12歳の時に初性交を経験した例は2人で、13歳が4人、続いて14歳5人、15歳34人、16歳45人、17歳87人、18歳103人と増加し、ピークが19歳の120人。また確認された中で最年少の娼婦は「11歳」。ここのようにおぞましい現象は我が国の淪落女性たちの多くが自分の意思とは別に、他意による誘引、強圧などによって無理やり悪の落とし穴にはめられたものであると解釈することができる。

最初の淪落場所

女性たちの最初の淪落場所は旅館がもっとも多く46.4%、自宅が27.5%、そして野外が16.7%と続く。近頃の旅館は「旅館」ではなく「女館」であるという時勢風俗の論理的帰結。2768人の淪落女性の中で 1241人が旅館、769人が自宅、467人が野外でそれぞれ最初の淪落行為を経験し、その他42人が沐浴湯54人が海水浴場で貞操をうしない、おのおのが淪落という名の「新装開業」を準備した。

淪落の原因

なぜ彼女たちは体を売らなければならないのか。淪落女性たちが告白する「淪落の言い訳」はそのまま私たちの社会像の縮図だ。第一原因が生活苦で、ほぼ半数の48%が淪落原因に上げている。次が失恋で15.5%、抱主(ペンプ)など他人からの誘惑が14.3%でその後を追う。また「自分の意思のみ」で娼婦を志望したという「プロ娼婦」は全体の11%であり、離婚が淪落の引き金となったと告白する女性も見受けられる(7.3%)―ソウル市の調査。一方ソウル市警察局の調査によれば、生活苦、他人の誘惑以外にも不遇な家族関係(12.9%)、贅沢及び虚栄心(15%) なども重大な淪落の原因になっている。

私娼街の顧客層・職業分布調査

女性を必要とする街の実需要者たちとは一体どのような階層の人々なのだろうか。今回の比較研究の調査では需要層の職業分布を調べるため、最初の淪落相手の職業を女性から聞き取りしている。最たる顧客層は軍人と学生がそれぞれ20.5%で同率首位。以下、商人13.7%、会社員8.3%、ならず者 5.7%、公務員5.6%、運転手3.6%と続く。婦女保護指導所による調査では、やや別角度から初体験の相手の職業を尋ねているが、驚くべきことに私娼街での最初の淪落顧客が初体験相手と回答した女性が47.1%を占めている。結局のところ淪落街の女性の半分が「淪落行為」で初純潔を失っているという…

淪落行為の期間

『どうせ汚れた体だし、せいぜい金儲けしよう』という安易な考え方が「淪落行為の泥沼化」を促進する。「ジャングル」地帯のぬかるみさながら、もがけばますます身動きできなくなるのが私娼街の一般的な摂理。ソウル市の調査によれば淪落行為期間は、1年が全体の 20.6%と最も多く、2年が 17.9%、3年15.4%、4年9.4%、5年6.3%…と年季が増すごとに比率が減少する傾向にある。しかし一方で2768人の対象者中、「娼婦生活10年以上の勤続者」は 28人にものぼる。9年(15人)、8年(31人)、7年(45人)、6年(94人)の有功者が綺羅星の序列を成している。

避妊妊娠経験の可否

淪落を生業とする女性たちは妊娠の問題をどのように解決しているのか。ソウル市婦女科の調査によると、68.2%は避妊薬剤や産制具をいっさい使わないと回答している。30.9%だけがかろうじて何らかの形態での避妊手段を用いている。うち38.1%の女性は妊娠経験を持っているが、のこる61%はただの一度も妊娠の兆候を経験していない。妊娠適齢期で性交を職業にしている人々が大部分避妊をしない上61%もの女性が妊娠しないという結果には、生理的に何らかの欠陷があるのではないかと首をかしげたくもなる。


淪落生活を清算できない理由

淪落生活から離脱することができない理由については、ソウル市婦女課の調査と婦女保護指導所の調査の間に格段な差が見られる。婦女課の調査によれば生活苦が70.9%で首位。次が債務 14.5%、帰郷したくないが11.6%、淪落生活が好きが2.2%の順序。半面、保護所側の調査では、拘束感がなくて楽(27.2%)、家族扶養のため(19%)、借金返済のため(11.5%)自暴自棄(10.7%)、抱主のやくざが脅迫監視(5.5%)、帰宅時の家族の叱責や羞恥心(7.2%)などが「現在」を清算できない主要原因として指摘され、一説では自由奔放で放恣な心理的要素が彼女たちに淪落行為を続けるよう誘引しているのだとも推測している。

淪落女性の前職と将来の希望

爛漫な「夜の肉体派」たちにも未来はある。婦女保護指導所の調査で露わになった女性たちの「将来」は各用各色。600人の調査対象者の中で22%を占める132人は「良妻賢母」を望んでいて、断然女性本来の姿への帰依を夢見ている。結婚を願わない残りの88% 中14%は美容師理髪師、12.2%は俳優歌手、9.5%は編物洋裁師になることを願っており、一部3.4%の人が学業への復帰を希望している。これらの将来希望は淪落をする前の職業とも多少の相関関係がある。淪落行為を始める前の前職としては31.2%が食母(家政婦)、16.2%が女工及び労働者11.3%が遊興接待婦、5.2%が学生、3.2%がバス車掌などの前歴を経験している。

生活史面での実態

<出身道別>

ソウル市の調査では忠南出身が13.8%で首位。次がソウルの13.3%、慶南の13%という 順番だ。婦女保護指導所の場合は慶南出身者が15.5%で最多。忠南は14.7%で全南が13.7%でそれに続く。ソウル市警察局の統計によると1位が慶南で18.2%。2位が京畿道の12.7%、3位が全北の11.7%という具合にそれぞれの統計に多少の差異が見られる。

<学歴別>

3種類の調査の共通点は、国民学校程度の就学者が全体の半分を超えているということ。ソウル市の調査では国民学校卒51.9%、同中退12.5%、中卒11.6%が大部分を占め、文盲が10.7%もいる一方、高卒(1.9%)大学中退(0.2%)の淪落女性の存在も確認されている。またソウル市警の調査では高卒が3.5%、中卒が14.6%と、やや平均学歴が上がっている。

<養親家庭環境別>

実の父母が生存している家庭の出身者がソウル市の調査では36.4%、保護所の調査では 30.7%。ソウル市警で3338人の淪落女性を対象に行った調査によれば31.3%の1044人は母親だけの欠損家庭、25.5%の853人は父親のみ、1.4%の46人が未婚母、4.1%の136人が身寄りのない孤児出身という結果であった。全体の79.5%の女性は、結婚経験のない未婚者であり、9.2%の女性に離婚経験があった。


531dae37c79e7

19690119 サンデーソウル
第2巻3号通巻17号
 
 

 




 

  • Share on Tumblr
  • add to hatena-bookmark
  • .
     add comment

    


about R.O.K.
       more cutie-sounds


  • Kim Myung-Gon Sound Vol.1
    23 tracks, total time: 1:49:47

    When I Feel Love - Nami 1987
    Round And Round - Nami 1985
    Got To Give It Up - Sarang Gwa Pyunghwa 1979
    Shake Your Booty - Sarang Gwa Pyunghwa 1979
    Fire, Come Together - Sarang Gwa Pyunghwa 1979
    Birthday - Garam Gwa Mae 1978
    Blue Jeans - Black Butterfly 1981
    For Elise - Sarang Gwa Pyunghwa 1979
    After You Leave Me - Jang,Deok 1986
    Love Feeling - Yoon,Ik-Hee 1991
    The Rain Pours Down - Sarang Gwa Pyunghwa 1979
    Silent Night Holy Night - Seoul Nageunae 1976
    Jingle Bells - Seoul Nageunae 1976
    Wandering - Gu,Chang-Mo 1986
    Symphony No.5 - Sarang Gwa Pyunghwa 1978
    Temptation - Lee,Jae-Young 1990
    Flying In The Deep Night - Lee,Mun-Sae 1987
    A Day Of Sunrize - Seoul Nageunae 1976
    Balloon In My Heart - Seoul Nageunae 1976
    NoNoNoNoNo - Ha,Soo-Bin 1992
    Rose - Sarang Gwa Pyunghwa 1979
    Dokdo Is South Korea Land - Jung,Gwang-Tae 1982
    Ave Maria - Sarang Gwa Pyunghwa 1978




    All songs arranged & performed by
    Kim,Myung-Gon (1952-2001)



    https://soundcloud.com/koreastationnouveau/sets/kim-myung-gon-sound-vol-1







▼ highlight



▼ articles


記事検索



  • ライブドアブログ
                     
Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

Back To Top